皆様こんにちは☺
日々の勉強お疲れ様です。
今日は、薬剤師国家試験の化学で出題される重要反応の1つ「アルドール反応」の攻略法をお伝えします:-P
有機反応に拒否反応がある方、多いと思います🤮
反応に関しては、矢印を使って電子の動きを考えて自分で書くことが一番大切ですし、出来るのが理想です!
しかし、薬剤師国家試験においては、必ずしも矢印を書いて自分で反応を書かないと解けない問題ばかりではないです🙌
加水分解のように結果だけでも点数に繋がるものがあります。
頻出反応であるアルドール反応についても、反応式が全て書けないと解けないという出題は少ないです。むしろ式を書くより重要な攻略法があります☺
苦手な方も得意な方も、得点に繋がるアルドール反応のポイントを一緒に学習しましょう🤓
アルドール反応とは?
まず、アルドール反応というのは決まった反応を指す名称なので、「原料」と「生成物」は覚える必要があります。
原料:「α水素を持つアルデヒド又はケトン」+「アルデヒド又はケトン」
生成物:β-ヒドロキシカルボニル化合物(さらに脱水が起こると→α,β-不飽和カルボニル化合物)
反応式と照らし合わせてみます。98回の国家試験で出題された反応を使います😄
反応機構(書けるのが理想やけど、無理ならとりあえず見るだけで大丈夫)も含めて確認しましょう:-P
厳密な反応ではありませんが、こういう感じです。詳細は参考書や有機化学の書籍をご確認ください。
流れとしては
①塩基によるα位の水素引き抜き(→求核剤の生成)
②求核剤がもう一分子のアルデヒドに求核付加反応
③β-ヒドロキシカルボニル化合物生成(→脱水するとα,β-不飽和カルボニル化合物)
となります。
β-ヒドロキシカルボニル化合物とは、β位にヒドロキシ基を持ったカルボニル化合物です。
α,β-不飽和カルボニル化合物とは、α位とβ位の間に不飽和結合を持ったカルボニル化合物です。
まずはアルドール反応とは何か?が分かったでしょうか🤔
※ちなみに、塩基性条件のほうが説明しやすいため取り上げていますが、酸性条件でも同様の反応が進行します。エノールやエノラートイオンの説明になるため、国家試験レベルとしては高難易度になるため省きます。というか国家試験ではほとんど必要ない知識です・・・
アルドール反応の押さえるべきポイントは?
最初にも書きましたが、アルドール反応の反応機構を矢印使って書けることは理想的です😄
ただ、書けないと解けない問題はほとんど出たことが無いです。むしろ、時間制限のある国家試験において重要なのは、今から説明するアルドール反応のポイントです。
最低限以下の3点を覚えましょう☺
①原料:「α水素を持つアルデヒド又はケトン」+「アルデヒド又はケトン」
②生成物:β-ヒドロキシカルボニル化合物(さらに脱水が起こると→α,β-不飽和カルボニル化合物)
③新しく生成する結合はどこか
①②は先ほどもお伝えしました。アルドール反応というものが、そもそも原料や生成物が決まった反応なので、覚えましょう。
さらに重要なのが、この反応で生成する新しい結合です。
反応機構を見れば分かりますが、緑の結合がアルドール反応により新しく生成した結合です。
この③さえ分かれば、少なくとも今までの国家試験の過去問レベルであれば反応機構不要です🤓
この①~③はめちゃくちゃ大事なので、絶対に忘れないでほしいです🥺
では、このポイントを使って実際の国家試験問題の攻略法(解き方)を伝授します!
薬剤師国家試験のアルドール反応を攻略する
第98回 問104
まずはシンプルな反応の問題。先ほど例で紹介した98回問104です。
以下の反応の正誤を答えるものです。
まず、この反応がアルドール反応について問われていることが分からないといけません。繰り返しになりますが、アルドール反応とは決まった反応なので、原料や生成物から見極める必要があります。
こんな感じで、アルドール反応っぽいことに気づけるようにしましょう:-P
次です。
ポイント③を使います。このアルドール反応で新しく生成する結合はどこか?
これを考えるには、まず「α,β-不飽和カルボニル化合物」を一つ前の「β-ヒドロキシカルボニル化合物」に戻さないといけないですね🤓
大丈夫でしょうか?
すると新しく生成した結合がわかります(図の緑)。その新しい結合が切れて出てくる2つが原料ということです。
結合を切った後の原料構造は、大きく異なる構造でなければOKとします。
よって、この反応は「正」となります。
第99回 問106
どんどん行きましょう!
続いては99回の問題です。医薬品合成への応用です。
補足しておくと、「アルドール縮合」というのは、脱水まで進んだアルドール反応のことを言います。「アルドール付加」と書かれていれば、脱水前までです(第97回の国家試験で出題されています)。
さて、この問題、どうやって解きましょうか🤔
戦略は98回の問題と同じです。原料まで戻していくんでしたね!
最後は選択肢から一番近い構造を選んで、「1、5」が正解です🤓
第101回 問104
続きましてこの問題です:-P
既に学習している方は「えぇ🤮」と思うかもしれません。
これはマイケル反応の問題じゃないのかと!
たしかにそうなんですが、国家試験の流れを見ると実はこの問題は
出題者:「マイケル反応勉強しといてね😄今回はマイケル反応わからんでも解けるようにしとくから」
というものだったんです(第101回当時は、ついにマイケル反応が出題されたと予備校業界は盛り上がった)。
このあと、第102回ではマイケル反応に関する問題が出題されています。全く新しいものは、だんだんレベルアップして出題される場合が多くあります(出題予想方法の記事参照)。
問題に戻ります☺
注目するのはDの構造です。
少し難しいですが、考え方は同じです☺
国家試験で「β-ヒドロキシカルボニル化合物」や「α,β-不飽和カルボニル化合物」が出てきた場合は、アルドール反応を頭に思い浮かべてくださいね🤓
第103回 問106
少し疲れてきましたか🤮一度体を伸ばしましょうか!!!
はい、じゃあいきます🤓
アルドール反応は生体内でも起こっているんです!けど、どこで起こっていても考え方は同じですよ☺
アルドラーゼによる反応を簡単に整理しておくと図のようになります。
右から左への反応が「アルドール反応」
左から右への反応が「逆アルドール反応」
です。
逆アルドール反応って難しそうに聞こえますが、原料に戻る反応のことを言っているだけです☺
では今までと同じように考えましょう:-P
Aはアルドール反応の生成物なので、「β-ヒドロキシカルボニル化合物」又は「α,β-不飽和カルボニル化合物」の構造のはずです。それを選択肢から探すと、それらしいものは「2」か「3」しかありません。
それぞれを、原料に分解してみましょう☺
すると、問題文の構造に合致するのは「3」と判断できます☺
第109回 問110
今日のラスト問題です!ここまで読んでいただきありがとうございます😄
理論問題で出題された、化学と生物の複合問題です:-P
どこかで見たことないでしょうか?
🤔
そうなんです!第103回の問題と全く同じなんですよね!ちなみに、第104回の問102にも同じような問題が入っています。
では復習も兼ねてやってみましょう☺
今までと同様に、新しく生成した結合を切断して、原料の構造を求めてみます🤓
すると、下側が「代謝物B」で上側が「代謝物A」になりそうです:-P
この代謝物Aの構造に最も当てはまりそうな構造を選択肢から探すと・・・
「2」の構造ですね😄
まとめ
いかがでしたか☺
構造が複雑になると、反応機構を書くのも手間です。
もちろん矢印を使った反応は書けることが理想ですが、国家試験のアルドール反応に関しては、ポイントを押さえてそれを使いこなすほうが良いと思います😄
ではしっかり復習して、同じような問題が出れば得点できるようにしましょう!
お疲れ様でした🤓
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