【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その4

化学編

皆様こんにちは:-P

本日も前回からの続きで“生体分子・医薬品の相互作用”を取り上げます☺

難易度の高い問題が多いですが、ここまで読み進めていただいた方は、少しずつ力がついているので、引き続き一緒に頑張りましょう☺

では始めます😚

第109回 問106

今日はこの問題です☺

この形式の問題、少しは見慣れてきたでしょうか?

問題全体の把握

いつも通り問題文確認すると、「乳酸デヒドロゲナーゼ」というワードが出てきます。主に生物で学習する酵素名ですね☺

この酵素によるピルビン酸から乳酸への変換に関する問題のようです。

反応は以下です。これはNADHによる還元反応ですね:-P

選択肢1&4&5

一気に行きます!

「109番の Arg はピルビン酸のカルボニル炭素の求電子性を高めている。」

「195番の His はピルビン酸に対してブレンステッド酸としてはたらく。」

「NADH はピルビン酸に対してプロトン供与体としてはたらく。」

図を見ながら、反応を一緒に考えていきましょう。

とても複雑そうな反応ですが、反応自体はとても単純です。

実は、反応の本質は、ケトンとヒドリドの求核付加反応です。ケトンとヒドリド発生剤(LiAlH4など)の反応を思い出してみてください☺

図を確認すると、NADHの水素が電子2個持ってカルボニル炭素に反応していますね(普通の矢印は電子2個動いていることを思い出しましょう!)。

すなわち、選択肢5は「誤」です。プロトンではなくヒドリドです☺

またこの時、ピルビン酸のカルボニル酸素は、His195のイミダゾール環のプロトンを受け取っています。His195側から考えるとプロトンを与えているため、ブレンステッド・ローリーの定義による酸です。

よって選択肢4は「正」です☺

求核付加反応ということは、カルボニル炭素(δ+)がよりプラス性を帯びている求電子性高い)と、求核剤と反応しやすく、反応が進みやすいです☺

ということは、酵素は反応を進めやすくするためのものなので、Arg109はカルボニル炭素の求電子性を高めているはずです。

したがって、選択肢1は「正」です。

まとめてざっと見ましたが、図と選択肢をもう一度見比べながら復習してみてください🤔

選択肢2

「168番のアミノ酸残基はアスパラギンである。」

これはアミノ酸の構造に関する問題です☺

アミノ酸の構造は大事です!

アスパラギン酸なので、選択肢2は「誤」です。

選択肢3

「171番の Arg とピルビン酸との主たる相互作用は、分散力によるものである。」

Arg(グアニジノ基)とピルビン酸(カルボキシ基)は、塩基と酸なので、静電的相互作用が主な相互作用と考えられます。

よって選択肢3は「誤」です。

まとめ

お疲れさまでした☺

色々な知識が必要なので、このタイプの問題は難しいです🤔

繰り返しになりますが、似た選択肢が出題されやすいので、過去問を繰り返し復習すれば得点が望める問題です!

引き続きよろしくお願いします:-P

【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その5
今回は第109回の問を使って、近年の国家試験で出題が続いている相互作用の関する問題を、大事な点に絞って解説します。

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