【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その2

化学編

皆様こんにちは:-P

本日は生体分子・医薬品の相互作用関連問題“その2”です☺

【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その1
生体分子と医薬品の相互作用に関する問題が、毎年出題されています。特に近年出題されているタイプの問題に対応できるよう、基本的な考え方をまとめていきます。

前回同様に問題を使って、大事な言葉や考え方をお伝えしますね!

繰り返しになりますが

総合力が必要となり、難易度は高いです( ゚Д゚)

勉強のポイントも絞りにくいですが、ざっくりと下記3点を頭に入れておきましょう☺

①全て理解は難しい!消去法が前提

②骨格やアミノ酸などの生体成分の構造(特徴)は覚える

③言葉の定義(意味)と構造を結び付ける

では始めます!

第106回 問106

本日はこちらの問題です:-P

問題全体の把握

このような問題は、まず問題文を確認しましょう☺

“β酸化”というキーワードがあります。生物でも超重要な内容です!

さらに、「β-ヒドロキシアシルCoAからβ-ケトアシルCoAへの変換」とありますね!

どんな変換か見てみると・・・

酸化反応が起きていそうです:-P

その酸化反応のメカニズムが、電子の動き(曲がった矢印)を使って示されていますね☺

ここで少しだけ補足です!

電子の動きを示す“曲がった矢印”について、皆様大丈夫でしょうか?

以下に簡単な説明を入れておきます😚

これは基本なので覚えておきましょう☺

では各選択肢を一緒に見ていきましょう!

選択肢1

「ヒドロキシアシル CoA 脱水素酵素の図中の170番のグルタミン酸残基は、158番のアミノ酸残基Xの側鎖のイミダゾリル基の塩基性を高めている。」

この問はどこかで見たことがあるような・・・以下の記事参照です

【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その1
生体分子と医薬品の相互作用に関する問題が、毎年出題されています。特に近年出題されているタイプの問題に対応できるよう、基本的な考え方をまとめていきます。

第105回 問106の選択肢1と聞かれていることは全く同じです☺イミダゾリル基が電子たっぷりの状態になっているんでした:-P

矢印を使って書くと、塩基として働いているように見えにくいですが、反応した後を確認すると、ちゃんと塩基として働いていることがわかりますよ~

よって、選択肢1は「正」です。

選択肢2

「158番のアミノ酸残基Xはヒスチジン残基である。」

これは生物でも学習する、アミノ酸の構造に関する問題です。アミノ酸の構造はとても重要なので、特徴を国家試験本番までには頭に叩き込んでください!!!

イミダゾリル基(イミダゾール環)をもつのはヒスチジンです!

選択肢2は「正」です。

選択肢3

「補酵素アは FAD である。」

これは生物の範囲ですが・・・化学っぽく解答するなら構造に注目しておきましょう☺

ニコチンアミド構造を持っているので

「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」=「NAD」です☺

ちなみにFADは、フラビンアデニンジヌクレオチドなので、リボ“フラビン”(ビタミンB2)と同じ構造を持ってますよ☺確認しておきましょう!

選択肢3は「誤」です。

選択肢4

「補酵素アはプロトン受容体として機能している。」

“プロトン受容体”という言葉と反応式をつなげましょう☺

プロトン受容体とはその言葉のまま「プロトン(H)を受け取るもの」です。

図を確認すると、水素が電子2個とともに移動しています。(曲がった矢印の意味を思い出しましょう☺)

すなわち、「プロトン(H)」ではなく「ヒドリド(H)」として移動しています。

よって、補酵素アはプロトンを受け取っているわけではないので、プロトン受容体ではありません🤔

よって選択肢4は「誤」です。

選択肢5

「補酵素アはピリミジン骨格をもつ。」

骨格の問題です☺生物でも重要ですね!

補酵素アがもつ骨格としては「ピリジン」とか「プリン」です:-P

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドなので、アデニン(プリン塩基)入ってますしね☺

よって、ピリミジンはないので選択肢5は「誤」です。

まとめ

いかがでしょうか:-P

勉強のポイントが絞れないので、なかなか難しいですよね🤔

色々な科目の勉強(特に生物や薬理)を進めていくと、また違った視点で考えられると思うので、今の時点で全てわからなくても大丈夫です!

それでは次回もよろしくお願いします☺

【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その3
今回は第108回の問107を使って、近年の国家試験で出題が続いている相互作用の関する問題を、大事な点に絞って解説します。

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