皆様、日々の勉強お疲れ様です😄
2025年2月22日・23日の2日間で、第110回薬剤師国家試験が実施されました!
私が受験してからもう10年以上たっており、中身もだいぶ変わっております🤔予備校で働いていた時の問題からも、見た目はガラッと変化しています😟
主にこれから国家試験に向けて学習を始める方に向けて、国家試験本番で初めて問題を見た時に、過去問のどういった知識を使うのかや、勉強する際に意識しておいてほしいことなどを、第110回薬剤師国家試験の問題を使いながら思いのままに書いていきます😄詳細な問題解説というより、勉強方法などの参考になる情報とお考えください🤓
なので、詳しい解説は予備校の参考書等を見てくださいね!
では早速初めていきます!!!めちゃくちゃ長いのでお気をつけください🤨
必須問題
基本的に5問は出題されるはずです:-P
基本的な問題が多いですが、まれにかなり難しいものや、何でそれ出したん?みたいな問題もあります🤮
第110回の問題を順番に見ていきますね🤓
問6

化学というか生物ですね🤔一応、立体化学の括りなんかな?
糖類の構造は国家試験の参考書的には主に生物で学習する範囲です。糖類は構造に絡めて出題されることが多く、化学だけの知識では解きにくい問題もあります。
アルドヘキソースAはβ-グルコースなので、そのアノマーであるα-グルコースを選べばよいです。
答えは4です😄
問7

ここ数年、金属元素関連の出題が多いです🤮出題しないといけない決まりでもあるんでしょうか?
この問題、ぱっとみて「覚えてないわ!!!」と発狂しそうになりますが、覚えるものではないですよ!
金属元素Mは、酸素原子3つに囲まれております。仮にMがないとしたらこんな風に考えられますね🤓

Mは+3になるような元素です。選択肢の中ではAlが該当します!
答えは3です😄
ちなみにこの医薬品は「アルジオキサ」です。古ーい国家試験では、アルジオキサにはアルミニウムが入ってることを知っていれば解ける問題が出てました🤓
問8

これは酸性度の定番問題で、過去問でも何回も出題されております🤓
酸塩基は超重要範囲なので、確実に身に付けておきたい範囲です!
酸性度の大小は、共役塩基の安定性を比較するので、電子求引基が結合しているほうが共役塩基が安定化されており、酸性度が高いです!
酸塩基は重要です。以下の記事から基本的な内容を順に学習しましょう🤓

答えは5です🤓
電子求引基や供与基の話は、化合物の安定性や芳香族化合物の反応にも関わる重要事項です!
問9

第110回の必須の中では難易度高めです。理論問題で出題されてもおかしくないものですね🤓
置換基の置換位置による安定性(酸塩基の強さ含む)に関する問題って、実は4年制時代の国家試験を含めてもほぼ出題されたことがないです🤮もっと言うと、出題されていても他の選択肢で回答が出せるものがほとんどでした。なので、これを必須に持ってくるのはちょっと・・・です。
しかも問8で酸性度の問題が出ているので、考える内容が被ってますね(‘Д’)
この問題を理解するには、電子供与基・求引基の根本的な部分が分かってないと無理です🤮別記事参考にしてください!

カルボカチオンの安定性の考えはこんな感じです。

オルト・パラ位に結合していると、共鳴により電子供与可能なので、カルボカチオンが安定化されますよ。よって2か所から供与されている選択肢4のカルボカチオンが一番安定化されてそうですね!

答えは4です🤓
問10

生薬の生合成関連の問題も頻出です😄
ビンクリスチンはインドール骨格をもつので、由来アミノ酸はトリプトファンです!
答えは3です🤓
骨格と由来アミノ酸はとりあえず以下を覚えておきましょう☺
インドール→トリプトファン由来
キノリン→トリプトファン由来
イソキノリン→チロシン由来
トロパン→オルニチン由来
第107回の問題で出た構造を参考に乗せておきますね:-P

以上が必須問題でした😄
難しい問題は少ないですが、個人的にはもう少し化学の基本を問うような内容(立体化学、芳香族性、有機反応など)が欲しいところです🤔
理論問題
ここからは理論問題に入ります😟毎年、基本的な問題から超難問まで、幅広く出題されており、受験生泣かせです🤮ただ、全員にとって難しい内容なので、1点でも多くもぎ取っていく意識でいれば良いと思います!!!
今回もなかなか難易度高いですが、見掛け倒しの問題もあるので、一緒に見ていきましょう🤓
問101

分液操作による分離の問題です🤓
大学入試でよく出る内容ですが、国家試験でもたまに聞かれます🤔
分液操作として大事なのは2つだけです🤨
①塩(イオン)になったら水層にいく(もちろん、元々水に溶けやすいものは水層にいきますよ)
②カルボン酸とフェノールのうち、炭酸水素ナトリウムと反応して塩になるのはカルボン酸
あとは分液に使う有機溶媒の比重に関する内容が出題されたこともありますね☺物理でも大事です!
今回の問題では問題文の3行目「分液操作②によって得られた水層にD(フェノール)の塩が含まれている」ってとこがポイントです!
フェノールだけを水層に移行させるためには、NaOHを使うしかないです(‘Д’)てことは、カルボン酸はそれまでに水層に追いやっておく必要ありです🤨てことで以下のようになりますね:-P

答えは6です🤓
問102

うーーん、うざい🤓笑
アルキンの反応って国家試験ではほとんど出題されておらず、重要度も低い・・・ちょっとびっくりです🤨
ただ、今回の問題で答えを出すことは比較的容易だと思います。それは、過去問でアルキンの水素化が出題されているからです:-P 101回のバーチ還元ですね🤓
バーチ還元はtransアルケンを生成する反応なので、併せてリンドラー触媒を使った場合はどうかな、と学習していた方には即答できたと思います:-P
cisアルケンが生成するため、選択肢4はおかしいです😟
答えは4です🤓
国家試験は急に新しいことが出題される場合もありますが、少しずつ出てくる場合があります🤓過去問の学習がとても重要です。以下の記事も少し参考にしてみてください(^^)

今回、アルキンの反応全般が出題された(されてしまった😟)ので、回答以外の選択肢は念のため一通り確認したほうが良いですね🤓ただ、国家試験での重要度はアルケン>>>>>アルキンで変わりないため、あまり力を入れすぎず(‘Д’)
問103

また出ました、ここ数年定番化している反応機構の矢印問題です🤓
全ての有機反応を矢印使って勉強するのが理想だと思いますが、そんな余裕ないよっていう受験生多いと思います😟
とりあえず、矢印問題が出た場合は、ありえない選択肢を削れるようになっていればOKとしましょう!
問題を一緒に見てみましょうか🤨

化合物や試薬から反応を考えたり、矢印の意味(電子がある所から出発)がおかしいものを選んだり、とにかくおかしなものを削りましょう!
答えは3,4です🤓
問104

生物の知識も使いながら解く必要ありそうですね🤓化学以外の知識を使う問題の出題は増加しており、総合力が試されていると言えそうです!
こういったタイプの問題はここ数年継続して出題されていますが、大事なことは以下の記事で説明してます。続きで同じタイプの問題を全て説明してますので参考にどうぞ🤓

解き方はこんな感じでしょうか。

水素結合の受容体・供与体という言葉が久しぶりに出ました。これは覚えておくしかないです!
答えは4,5です🤓
問105

こちらも生体成分関連ですね🤨見た目えげつないです🤮選択肢も結構ややこしくて、緊張する本番でこんな問題がバンバンくるときついですね🤮
難しそうな問題は諦めるのではなく、とにかく問題文や選択肢をよく読んで、削れそうな部分から確実に潰していくしかないです🤨意外とすんなり答えでたりするので!これはけっこう難しいですけどね!
この問題は、カルボニル関連の反応を中心に、生体成分を使った応用的なものです。ここ数年の国家試験では、カルボニル関連の反応を原料や試薬ごとに問う(第98回問104とか第99回問104)というのは減って、反応メカニズムや生体成分の反応の一部で問う場面が増えていますね🤨難しいです。
こちらの問題、こんな感じで解けると良いですね

選択肢1,2,5あたりが反応の基本から正誤つけられると良いと思います。
あとは選択肢3の考え方が重要(共鳴の起こりやすさ)🤨
選択肢4はおまけ程度で良いと思います。共鳴してP=OとP−O−が等価と考えればよさそうですね。
答えは1,2です🤓
共鳴の起こりやすさについては芳香族化合物の反応性でも少し関わりますので、参考にどうぞ🤓

問106

こちらの問題も、うげーー🤮って感じです。
ブレオマイシンについては、鉄イオンとくっついて活性酸素でDNAを切断することは学習していると思います。過去問でもブレオマイシン出てきてますしね!
これを構造で聞いているわけです。
選択肢的には1か5の可能性ありそうですよね。じゃあ鉄イオンとくっつきやすいのはアとオどっちかな🤔と考えると、これまた金属イオンの話なのですが、鉄イオンに配位子として結合するにはローンペアを持った原子が必要ですよね!そうするとアには多数のローンペア持った原子があるので、配位子になれそうだ!答えは1!と考えられそうです。
実際に答えは1ですが、覚えておくというより、可能性あるほうを選ぶしかないですよね。
答えは1です🤓
ちなみに、インターカレーションに関わる構造はエと言われています。芳香環が2つくっついていて平面構造ですからね(^^)
問107

またまた、うげーーーな問題です🤮
内容としては物理かな?っていう感じがします。等電点の意味を知っていれば回答できます。
問題文に等電点を「5.4」から「6.7」に近づける、すなわちアルカリ側に移動させるとあるため、塩基性を示す構造を増やしたか、酸性を示す構造を減らしたと考えられます。
これに合致しそうなのは、Arg(アルギニン)がついた選択肢2ですね!
答えは2です🤓
問題文が長いものは、よく読むとヒントが隠れてるかもです🤨
問109

生薬の問題です🤓
アコニチンは附子に含まれる成分です。過去問でも何度か出題されております。
ついに構造が出ましたね🤔附子に関する問題の変遷は以下の記事で紹介しております。

選択肢2についてはアミノ酸由来という報告もあるため、不適切なものになるかもしれません。薬ゼミさんも解答で指摘しています(2025年2月時点)。
選択肢1はテルペンアルカロイドとされているため、酢酸マロン酸経路ではないですね。一般に酢酸マロン酸経路で生合成される構造の特徴はこういう構造です。

選択肢3はその通りで、減毒のため加水分解による修治をしています。
選択肢4はキンポウゲ科なのでダメです、覚えるしかないです・・・
選択肢5は、附子が入った漢方の代表例から考えると良いですね🤓代表的な漢方は八味地黄丸です。
これは主に高齢者に対して使います。高齢者って体力充実してますか?っていうとこから判断すると良いでしょう!
答えは3です🤓(選択肢2は不明です)
問110

漢方と構成生薬に関する問です🤓これは即答したいです!
答えは4です🤓
葛根湯といえば麻黄が入った風邪薬です!麻黄による発汗作用です😄
問109と問110の漢方に関しては以下の記事を参考に学習してみてください(^^)

以上で理論問題終了です🤮
難しい問題多いですが、受験生の大半が同じ気持ちを持っているのがこの理論問題(次の実践問題も同じ)です。
最初にお伝えした通り、1点でも多くもぎ取っていく意識が大事です。難しそうに見えても、問題文や構造を確認して、分かる部分から進めていきましょう😄
実践問題
最後は実践問題です🤓
こちらも理論問題と同様、難しいものも多数出ます!ただし、必ず解けるものがあるはずなので、わかる所から進めて、1点でも多くとっていく気持ちで望みましょう!完璧にできる受験生は多くないです。
問209

第105回でもコリンエステラーゼの問題出てますが、今度は医薬品の反応について聞かれております🤔
エステルの加水分解酵素なので、カルボン酸誘導体部分に反応しそうですよね🤓

また、反応性はエステル>アミドなので、最後に脱離するのは酸素側の構造です。
答えは1です🤓
問210

第106回で構造の問題が出題されておりましたが、再び出現しました。
還元されてヒドロキノン型になっているので、化合物アはキノン型を選ぶということですね!
答えは4です🤓
問212

過去問でもよく出題されている、サラゾスルファピリジンの代謝に関する問題です🤓
活性成分は5-アミノサリチル酸なので即答できそうです😄
還元なので、アゾ部分がアミンになると考えれば良いですね!
答えは5です🤓
問217

写真問題好きですよね🤔麻とケシです🤓
第100回で似たような問題が出ていますが、モルヒネの構造問題です。
せめてモルヒネの構造くらいほしい気がしますが🤔
Bは他と比べると立体が異なり、構造もかなり変わっていることがわかります。人工物っぽい感じがしますよね!
ちなみにBはデキストロメトルファンであり、麻薬ではないです☺
Cは難しいんですが、一般的にN上のアルキル基が少し大きくなると拮抗作用が出ます。これはナロキソンの構造で、麻薬拮抗薬です。
最後のAはコデインですね:-P
左下にあるメチル基が体内で脱離すると、モルヒネになります🤨よって化合物XはAです。
写真については、モルヒネとくればケシなので「イ」です。麻の写真が入っているということは、次は大麻ですかね???
答えは4です🤓
以上、実践問題でした😄
過去問を改変して再登場しているような問題が多かった印象です🤔
最後に
皆様いかがだったでしょうか🤔
難しいですよね😟特に今回の国家試験は、見た瞬間にやる気を失わせるような問題が多い印象です🤮
ただし、新しいことを無暗に覚えていく必要はなく、過去問で出題済の重要事項を確実にして、その知識を基に考えて解くことが出来れば良いものがほとんどです。
(次回以降の国家試験ではこの110回も過去問になるわけですが・・・)過去問で一般的な知識(正答率が高い問題や頻出内容)を確実にしていくことが最重要です🤔
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました😄
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