【薬剤師国家試験】RS配置のつけ方 少しレベル高いやつ

化学編

皆様こんにちは☺

立体化学の一番基礎であるRS配置」のつけ方について、あまり複雑なもの(国家試験レベルにおいて)は出題されません。

基本的にはこちらの記事で説明したことが理解できていれば問題なしです😚

ただ、医薬品の構造などを絡めた問題になると、少しレベルの高いことを求められる場合があります。

今日は実際に出題された問題を使って、RS配置のつけ方に関する知識をもう一段階レベルアップさせておきましょう☺

第108回 問104

使用する問題はこちらです(選択肢4,5は関係ないので割愛しますね)

これ、過去の薬剤師国家試験のレベルから考えると、少しレベルが上がる問題です。

余裕で解けるという方は、RS配置は全く問題なしです🤩

苦手な方は、一緒にやっていきましょう:-P

繰り返しますが、薬剤師国家試験の中ではレベル高いことが求められていますよ!

選択肢1

S1PのRS配置を求める問題です。

優先順位のつけ方、大丈夫でしょうか?

原子番号に差がある所まで辿りますよ~🤔

1の炭素と3の炭素で、結合する原子に差がありますね!

CとHなので、Cがついている3の炭素が優先順位上です!

あとは、優先順位4位(H)が奥なので、「左回り→S配置」です☺

選択肢1は「正」です。

選択肢2

こちらはキラルかどうかの判別です☺

キラルということは、原則「不斉中心がある」ということでした🤔

構造見てみると~

不斉中心になりそうな所がありますが、残念ながら同じ構造が結合しているため、不斉中心ではありません。

よって、不斉中心のないアキラルな化合物となります☺

選択肢2は「誤」です。

選択肢3

最後です!

これが薬剤師国家試験の問題としては少しレベルが高いものです。

なぜか?

それはRS配置を求める際に、「優先順位4位が手前(くさび)又は奥(破線)になっていない」ためです。国家試験では珍しいです。

まず優先順位を確認します。

優先順位も少しややこしいですね🤔ただ、考え方は同じです。

次に、優先順位からRS配置を求めるわけですが、優先順位4位が手前や奥にない場合は、構造を変換させる必要があります。要するに頭でくるくる動かすわけです( ゚Д゚)

立体が苦手な方にはかなり苦しいと思います。

もう一度お伝えしますが、この問104の正解を導くだけなら、選択肢3はわからなくても良いですし、他の選択肢で十分正解が導けます。国家試験で、選択肢3のようなパターンは珍しいものですし、レベルが上がります。

ただ、せっかくなので今回は苦手な方向けに「こんなテクニックあるよ」というのを紹介しておきます。

※あくまでテクニックなので、特殊な構造(国家試験レベルではほとんどないですが)になった場合には適応できません。

以下の図をご確認ください。

結合を2か所入れ替えると、RS配置が逆になります

これ使えそうですよね:-P

④が手前でも奥でもない構造の、結合を2か所入れ替えます。

すると、R配置となります。ということは、結合を入れ替える前はS配置とわかりますね🤩

よって、選択肢3は「誤」です。

苦手な方はこのテクニックを知っていれば対応可能です。

※繰り返しますが、万能ではありません。一部の特殊な構造には対応できません。ただ、一般的な構造で広く用いることができるので、知っていて損はないです。
また、これも繰り返しになりますが、優先順位4位が手前でも奥でもない構造のRSを求められなければ正解を導けない問題はほとんど出たことがありません(他の選択肢で対応可能)。この選択肢3は国家試験では特殊なタイプで難しいものですが、出来なくても問題の正解は出ます。

まとめ

いかがだったでしょうか🤔

立体化学が苦手な方は、特に頭で構造を回転させるような問題は悩みの1つと思います。

私のブログ内の立体化学に関する記事は、なるべく構造を回転させるような解き方は避けていますので、何とか頑張ってもらえると幸いです🥺

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