【全8回】薬剤師国家試験の化学勉強法 シクロヘキサンと立体化学(第8回)

化学編

勉強お疲れ様です:-P

ブログをご覧いただきありがとうございます。

本日で「立体化学」最後です。第1回から続けてお読み頂きありがとうございました(^^)

まずはこのレベルまでを完全に自分のものにすることを目指してくださいね( ;∀;)

立体化学を勉強する際のポイントが3つあったのを覚えているでしょうか?

①不斉炭素を見つけてRSがつけられる

②言葉の定義がわかる

③様々な立体構造の表し方

この①~③を中心に前回までも学習してきました。

本日は特に③がメインの話です。

「様々な立体構造の表し方」ってそもそも何でしょう??実はすでに1つは学習済です。

・・・

そうなんです。前回までに立体化学を学習した際に何度も出ている“破線(奥)”や“くさび(手前)”を使った表し方です(以下“くさびー破線表記”とします。)

では他にどのような表記があるでしょうか。

国家試験で出題される立体構造の表し方としては、あと3つあります。

1.シクロヘキサンのイス型配座

2.フィッシャー投影式

3.ニューマン投影式

です。

重要度もこの順番です。よって今日は最重要の「1.シクロヘキサンのイス型配座」の話をしますね。

【とりあえずこれだけ!】フィッシャー&ニューマン投影式
国家試験であまり出題されることがない表記方法「フィッシャー投影式とニューマン投影式」。マイナーな範囲だからこそ、ポイントを絞って学習しましょう。

シクロヘキサンのイス型配座の問題に出会ったら・・・

問題を見てみましょう!第107回の問102です。

まずは、この問題が解けるようにしましょう😄

このようなシクロヘキサンのイス型配座に関する問題を解く重要ポイントは

「くさびー破線表記に書き換える」ということです。

シクロヘキサンのイス型配座を綺麗に書きましょう♪

問題を解く際に、構造がキレイに書けないと間違いの原因になります🤮

以下の手順でイス型配座を美しく書きましょう:-P

これでイス型は完成です🤓

ちなみに・・・

アキシアル・エクアトリアル

次に、アキシアル位やエクアトリアル位や安定性の考え方について、簡単に説明しておきます☺

(垂直)がアキシアル、がエクアトリアルです:-P(選択肢4は「正」ですね)
安定性は、立体的にかさ高いものがアキシアルにある場合が不安定でしたね(^^)

エクアトリアルの書き方が難しいのですが、以下のルールです。覚えておきましょう🤓

立体化学が苦手な方(頭でクルクルできない)は、上の問題の選択肢2や3のような問題が解けない場合が多いです。

そういう時に活躍するのが「くさびー破線表記に書き換える」ということなんです。

「イス型」から「くさひー破線表記」への書き換え

さっそくやってみましょう:-P 

まず初めは・・・

結合の向きを考えます。上向きか下向きかは見たままです。(Aのメチル基は上向きと下向きなので“トランス”ですね!選択肢1は「誤」です)
※ちなみに上下とアキシアル・エクアトリアルは無関係です。

次に構造を置き換える際の炭素の位置を決めます。

オレンジと緑の丸で囲んだ炭素が同じ位置を表しています。順番を間違えると誤答の原因となるため、矢印を書く(図では黄色い矢印)と間違いが減ります。

最後に“くさび”と“破線”を書きます。

上向きをくさび、下向きを破線です。

はい。これで構造の書き換え完了です。

この書き換えによって、上の問題の選択肢2,3のような問がわかりやすくなります。

選択肢2は・・・

Aとアは同じですね!だから「誤」です。

選択肢3は・・・

ちょっと補足しますね。「(立体)配座異性体」という言葉。

似た言葉に「立体配置異性体」っていうのがありましたよね。立体配置異性体の代表例は“エナンチオマー”でした。

では「立体配座異性体」というのは何か。細かい話を抜きにすると「形は違うけど同じ化合物」ということです。

例えば立体配置異性体であるエナンチオマーの場合、RS配置が変わっていました。しかし、立体配座異性体の場合はRS配置が変わりません。同じ化合物ですから。

では選択肢3に戻ります。

「Aのいす型配座が環反転した配座異性体はイである。」は「Aとイは同じ化合物?」と聞かれているのと同じなので「正」です。

以上、いかがでしたか。

イス型配座のままで、「エナンチオマーかどうか判別する」「RS配置をつける」などは難しい場合があります。そんなときは少し手間ですが構造を書き換えてみましょう。そうすれば解答が出しやすくなります:-P

仕上げの1題

ここまで分かればとりあえずOKでしょう☺

第103回問101です

問題文に“最も安定な立体配座”とあるため、イス型を考える問題と判断します:-P

今回は平面型が記載されているため、これをイス型に書き直す必要があります!

平面からイス型は、第107回の問102とは反対のことをします。

この時、“最も安定な立体配座”とあるため、一番かさ高いイソプロピル基をエクアトリアルに書くことをお忘れなく。

すると、選択肢2がおかしいことに気づけます☺

ちなみに、書き換え方は色々あります。解答と全く同じ構造にならなくても、置換基の位置や向きが間違っていなければ問題ありません。

最後に

皆様お疲れさまでした:-P

ここまでこれたらもう大丈夫です😄一番大事な骨組みはできました。

あとは完成度を高めるために、参考書・過去問も使いながら何度も復習してください☺

全8回の記事では「酸・塩基」と「立体化学」しか触れていませんが、なぜこの範囲だけだったか

それは・・・

絶対出題されるし、点が取れるからです。

特に時間に余裕のない方は、まずこの2つの範囲の完成度を高めることに注力しましょうその代わり、薬理などの他科目の勉強を頑張ること!

他科目の知識で点数取れる問題あります!

それが国家試験の「化学」を乗り切るコツです:-P

この全8回の内容を必ず自分のものにして、次の学習につなげてください☺

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