【薬剤師国家試験】“生体分子・医薬品の相互作用” その5

化学編

皆様、日々の勉強お疲れ様です☺

今日も“生体分子・医薬品の相互作用”に関する問題を見てみます。

総合力が試される範囲なので難易度高いですが、分かる部分から削っていく(消去法!)ことで、国家試験本番でも得点を目指しましょう😚

第109回 問207

今日の問題はこちら!

第109回の問207です:-P

なかなかレベル高い問題です🤔

というか選択肢5が厳しいですね・・・

さっそく見ていきましょう:-P

問題全体の把握

まずは問題文をしっかり読みましょう☺それだけで解ける選択肢もありますね:-P

ドパミンの代謝を問う問題のようですね🤔

内容としては生物や薬理でも学習することです。最近は特に他科目の知識を使いながら解く問題が多いですね:-P

さらに、MAOB阻害薬のセレギリンまで出てきて、内容盛りだくさんです☺

選択肢1

「反応①において、FAD は還元剤として働く。」

図を見てみましょう☺

反応①では、ドパミンから電子2個持った水素(ヒドリド)がFADに移動し、またプロトンもFADと結合しています。

その結果、FADの水素が増加しています。

ということは、FADは還元されたということです☺

還元されるのは酸化剤なので、FADは酸化剤として働いています。

よって、選択肢1は「誤」です。

ちなみに、問題文でドパミンはMAOB(モノアミン酸化酵素)で代謝されるとあるため、ドパミンが酸化されるということからも予想できますね:-P

言葉の意味や定義は確実にしておきましょう!

選択肢2

「反応②は、置換反応である。」

これは4年制の国家試験時からよく出題される選択肢です。

置換反応というのは、置換基が置き換わる反応です。

今回の反応は、アルデヒドやケトンの反応と同じ、求核付加反応です☺

よって選択肢2は「誤」です。

選択肢3&4

「反応③において、カテコール骨格をもつイミンが生成する。」

「反応④で生成する「代謝物」は、カテコール骨格をもつ第一級アミンである。」

反応③で生成する化合物は、さらに反応④で代謝されるとあります。

以下の図を確認してみてください☺

反応③で生成する化合物は、イミン構造とカテコール構造を持ちます。

よって選択肢3は「正」です。骨格や構造の名称は少しずつ覚えていきましょう:-P

さらに、反応④では水が反応しています。

イミン構造を有する化合物に水が反応とくれば、イミンの加水分解が考えれれます😚

よって、代謝物はイミンが加水分解された、カテコール骨格をもつアルデヒドとなります。

したがって、選択肢4は「誤」です。

加水分解は重要な反応です。結果だけ丸暗記でも解ける問題が出ます!

【薬剤師国家試験】重要反応“加水分解”
薬剤師国家試験化学の中でも難易度が高い問題の1つである「98回問215」について、関連事項を整理しながら解説します。

選択肢5

「セレギリンは炭素ウで補酵素と共有結合を形成する。」

最後の選択肢は難しすぎます・・・その場で考えて解けるかといわれると「ん~」です。

ただ、今後も「標的と共有結合する医薬品は?」のような問題が出題される可能性はあるので、セレギリンが共有結合を形成する医薬品であることは知っておいて損はないかもしれません🤔

まず、問題文に「セレギリンはこの補酵素と共有結合を形成することで MAOB を不可逆的に阻害する。反応①の過程でドパミンの水素アは、セレギリンにおいては水素イに相当する。」とあります。

ということは、セレギリンは以下のような反応を起こすことが予想できます

(図が雑ですみません😟)。

この時、選択肢5は「次に青色矢印で反応するか?」と聞いてきています。

問題をよく見て、ドパミンと同じ反応経路で進むと考えると、「赤色矢印で進みそう」と考えられます。

ただ、実際には選択肢5は「正」の記述で、青色矢印で反応が進みます。

無理ーーーですね🤔

まず選択肢5の通りの反応が起きる可能性があるかを考えます。

反応は以下です。

αβ不飽和カルボニル化合物と同じ構造なので、マイケル反応が進むと考えられます。

よって、選択肢5に矛盾はないです。選択肢5は「正」です。

✍過去の国家試験で出題されているマイケル反応に関する問題も「αβ不飽和カルボニル化合物があれば、とりあえずマイケル付加を疑う!」という問題ばかりです。国家試験において、マイケル付加反応が進むのか、進まないのかを判断させる問題は出題しにくいためです。αβ不飽和カルボニル化合物があれば、まずマイケル反応を疑いましょう🤔

ちなみに、ドパミンと全く同じ赤色矢印での反応はどうか?と考えてみます。

反応は以下です。

矛盾はなさそうですが、生成した化合物がアミナール構造(N-C-N構造)を有するため、加水分解を起こしやすそうです。

【薬剤師国家試験】重要反応“加水分解”
薬剤師国家試験化学の中でも難易度が高い問題の1つである「98回問215」について、関連事項を整理しながら解説します。

よって、赤色矢印の反応では、不可逆的な反応になりにくいのでは?と考えることもできます。

こんな風に一応理由はつけられますが、初見で選択肢5を「正」とするのはなかなか厳しいと思います。

今後のために、「セレギリンは共有結合を形成する医薬品」ということ程度を頭に残しておくと良いのではないでしょうか🤔

まとめ

いかがでしたか?今回は反応に関する問題が多いものでした。

特に加水分解は生体成分や医薬品に絡めて出題される可能性が高いため、復習しておくことをお勧めします☺

あと、選択肢5は難しいので!あまり気にしなくて良いと思います:-P

では今日もありがとうございました😚

コメント

タイトルとURLをコピーしました